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飛灰処理について

飛灰処理についてイメージ 技術情報2024/11/14

ごみ焼却施設の飛灰処理設備の設計対応のご依頼がありました。

今回はその設備に関連する情報、内容をご紹介いたします。



    出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について(環境省)

    ごみを焼却すると燃え殻として残る焼却灰と焼却に伴って舞い上がる細かい灰(飛灰(ばいじん)が発生します。

    これらの焼却残渣には重金属(カドミウム、鉛、六価クロム、ヒ素、水銀等)が含まれているため、
    そのまま埋め立てると雨水などで溶出され、地下汚染となり人や環境に影響を与えてしまいます。

    その為、重金属の溶出を防ぐ処理を行わないといけません。



    ばいじん規制の背景~
    産業構造の変化: 戦後の重化学工業化に伴い、大都市で大気汚染が深刻化。

    初期の対応: 東京や大阪などの自治体が公害防止条例を制定して対応。

    全国的な対応: 経済成長に伴い、大気汚染問題が広がり昭和37年に「ばい煙規制法」を制定。

    追加の規制: 石油燃料の使用増加でSOxの排出量が増加し、昭和43年に「大気汚染防止法」が制定。

    改正と強化: 昭和45年の「公害国会」で大幅に改正され、全国一律の排出基準と罰則が導入。
    現在、ばいじん除去技術の進歩により、浮遊粒子状物質の濃度は減少し続けています。

    重金属の溶出を防ぐ処理方法には2種類あり、
    化学的に安定化する方法(キレート処理)固化(セメント 固化・高温溶融固化)する方法があります。
    セメント固化とは
    産業廃棄物とセメントを混練する事で産業廃棄物中に含まれる有害物質をコンクリート内に封じ込める処理方法
    コストは安いが廃棄物の量が著しく増大してしまう。
    溶融固化とは
    ゴミや焼却灰を1200度以上の高温で溶かし、冷却して固める工程で、有機物はガス化するか燃焼します。
    無機物は冷却され溶融スラグとなり、道路用材等に再利用されます。

    キレート処理とは
    金属イオンをキレート剤と呼ばれる化合物で捕捉する方法です。
    キレート剤は、金属イオンと強く結合し、水から分離させることができます。
    キレート処理は、環境保護や健康リスクの低減に寄与する重要な技術として
    多くの焼却施設で焼却残渣の安定化処理として使用されています。



    重金属を不溶化させる効果の高いキレート剤ですが
    流通する有機系キレート剤は加熱や酸の添加によって二硫化炭素や硫化水素などの有毒ガスを
    発生させてしまう為、発生を抑えるための改良もメーカーが取り組んでいる状況です。

    今回のように設計対応において設備に関連する知識や背景について知識を深めることは
    設計を進めていく上でも大事な要素、情報となります。

    このようにMIRAIZ株式会社では、様々な設計ご依頼にお応えできる体制を整えておりますので
    お気軽にご相談ください。


    <参考文献>
    ・ごみ焼却施設の状況
    一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について | 報道発表資料 | 環境省


    設計事業グループ/田浦



    TECHNICAL ENGINEERING GROUP(設計事業グループ)

     

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