技術情報2023/12/21
今回は機械設計に関するお役立ち情報となります。
テーマは『複動式エアシリンダの制御』についてのお話です。
エアシリンダはスピコン(スピードコントローラー)を使用し動作速度等を主に制御します。
速度制御に関しても、メーターイン制御とメーターアウト制御があります。
それぞれ簡単に説明しますと
メーターイン制御は シリンダの供給側のエアをスピコンにて流量調整する。
メーターアウト制御はシリンダの排出側のエアをスピコンにて流量調整する。
それぞれの主な特徴には以下の内容になります
メーターイン制御
① 調整しづらい。
② 負荷変動の影響受けやすい
③ 飛び出し現象が制御できる
メーターアウト制御
① 調整が容易
② 負荷変動の影響を受けにくい
③ 飛び出し現象が制御できない
このような特徴をもっており、約9割がメーターアウト制御だと言われています。
また、メーターイン制御は単動式に使用されます。
私も実務経験でメーターイン制御はとても動作速度調整しづらかった事を思い出します。
ここで豆知識
メーターアウト制御にて稼働中の複動式エアシリンダ内のロッドパッキンが劣化し、うまく動作しなくなった場合
状況にもよりますがメーターイン制御に変更すればうまく動作する場合があります。
絞り調整がとても困難ですがシリンダの交換在庫がない時は交換シリンダ入荷までの急場しのぎとして
実際にメーターイン制御にしておりました。
(※注意 この方法は推奨されない為、必ず経験者に相談する、また上長に承認を得ることをして下さい。)
もしも、このような状況に陥って、どうしても稼働させなければいけない場合、試してみてはいかがでしょうか。
今回は以上となります。
次回も新しい情報を発信していきますので、おたのしみください。
設計事業グループ/佐藤
TECHNICAL ENGINEERING GROUP(設計事業グループ)
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