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技術情報2025/03/20
型鋼とは、多様な使用目的に合わせた、様々な断面形状をもった鋼材です。 建築物をはじめとした各種構造物等に使用されています。
今回は、私たちが良く使うH型鋼を紹介します。
その名の通りH字の形状をした鋼材であり、 他鋼材に比べると曲げ強度が高い為、各種構造物に使用されます。 他の鋼材でも同様ですが、強い方向と弱い方向がある為、 使用方法には注意が必要です。 下図に、各部位の名称と、主な使用方向を示します。
【図1:H型鋼】
何故、曲げ強度が強いのか? それは、曲げ(撓み)の量を計算する時に使用する、 断面二次モーメントが高くなる形状をしているからです。 断面二次モーメントは、力が通る方向に対して、図心軸より遠い所にある面積が大きいほど、 大きな数値となる為です。
H型鋼には、高さと幅の比により、以下の3種に分けられます。 その断面特性により、おおよそ使用用途が決まってきます。 ・広幅(通称:HW) 高さと幅が同等であり、断面積を取りやすい形状となっています。 主に柱材で使用されることが多いです。 装置などを乗せる梁として使用されることもありますが、 その用途で使用される頻度は高くありません。 これは、重量の割には強度が確保されづらいからです。 ・細幅(通称:HN) 高さに対して、幅が極端に狭い形状となっています。 その構造から、一方向からの力に対しての強度が強い為、 主に梁材として使用されることが多いです HWとは対照的に、柱に使用されることはあまりありません。 これは、一定方向からの力に対して極端に弱い事、 また断面積を稼ぎづらい構造になっている為です。 ・中幅(通称:HM) 高さと幅の比が、HWとHNの中間の形状となっています。 極端な特性を持っているわけではありませんが、 HWやHNではちょっと物足りない・・・となった時によく使用されます。
今回は、以上となります。次回もお楽しみに。
設計事業グループ/在原 TECHNICAL ENGINEERING GROUP(設計事業グループ)
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