技術情報2024/02/22
下部構造が球体状の小型タンクを保持する目的の仮設受け台について
荷受け部分の板厚みが強度的に問題無いか気になるので検討して欲しい、
とのご相談を受けました。
<仕様条件>
・タンクの荷重は0.3tonを想定
・荷重を受ける天板はリング形状、脚は4本で溝形鋼を使用する
・タンクは完全に固定せずリング板部分に乗せるのみ
以上の条件で板の縁溝で均等に荷重を受ける様な構造解析を行うと
最大応力0.1ton/cm2以下
最大たわみ量0.01mm以下
上記の結果はお客様の設定している許容数値を下回っていたので
問題ありませんでした。
しかし「タンクは完全に固定せずリング板部分に乗せるのみ」とした場合、
タンクの重さが板の弱い部分に一点集中する可能性がないか?
と懸念が生まれたので最悪の想定も加味して追加の構造解析を行うことに。
最大応力1.2ton/cm2
最大たわみ量0.17mm
均等に荷重を受けていた時よりも10倍以上の負荷が予想され、
許容数値上限に近い結果となりました。
上記の結果をお客様に確認した所
「条件的に厳しい中で許容数値内に収まっているなら仮設品としては問題無いですね」
との結論になり、安心されたご様子。
運用時の仕様条件をクリアしているからOKと
安易に納得せずに目の前に無い物体形状をイメージして
現地で据付される時にどういった状況が予想されるかも
考えて設計は行わなければいけないなという事例でした。
次回も新しい情報を発信していきますので、お楽しみください。
設計事業グループ/松下
TECHNICAL ENGINEERING GROUP(設計事業グループ)
|