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ポリエチレン内面ライニング施工の鋼管分岐部について

ポリエチレン内面ライニング施工の鋼管分岐部についてイメージ 技術情報2025/04/17

以前携わりました案件で
ポリエチレンライニング管の分岐部について加工メーカー様からご指摘頂いた内容をご紹介したいと思います。


    図1:は海水配管200Aの枝部で母管に対して枝管口径が小さいので差込溶接ボスを用いていたものでした。
      
    この場合、差込溶接部が冷却され収縮した際、溶接部の割れを防ぐ為に必ず逃げ代が(図1のスキマを示す)が
    必要となります。

    しかし、この状態で内面ライニングすると黄着色部スキマに空気だまりが発生し、
    ライニング加工後に空気が熱膨張するケースがありライニング被膜の膨れ等を発生させ、
    ライニング被膜の健全性を損なうとの指摘でした。

    この場合は図2の様にボス内部を機械加工にてストレートにくり抜き、先に枝管溶接後、
    ボスをかぶせて溶接するか、図3:枝管と母管溶接にする方法になるそうです。

    結果、枝部は図3の形状で進めました。
     ポリエチレン被膜のデメリットは熱に弱く、熱影響を受けると樹脂の劣化等により
    スキマやピンホールなどが発生してかえって腐食のリスクを高める恐れがあることを学びました。
      日々、勉強ですね。

    加工メーカー様のカタログにも下記記載がありました。


    https://dhf.co.jp/catalog/pdf/dhf_lining.pdf



    最後にポリエチレン被膜配管について簡単にまとめました。

    「ポリエチレン被膜ライニング鋼管」
    特性:
    ・優れた耐腐食性:ポリエチレンは透水性や吸水性がほとんどなく、酸やアルカリ、溶剤などに対する耐薬品性にも
    優れています。そのため、埋設環境でも鋼管が腐食しにくくなります。
    ・高い電気絶縁性:電気絶縁抵抗が高く、経時変化が少ないため、電気防食を施す場合でも通電量を抑えられ、
    維持費を低減できます。
    ・安定した品質:最新技術を駆使した生産ラインで製造されるため、品質が安定しています。各種試験や検査が
    徹底されており、品質保証体制も万全です。
    ・ 幅広い製造範囲:クロスヘッドダイ製造方式により、広い寸法範囲の製造が可能で、一層被覆や二層被覆の
    選択もできます。
    ・施工の容易さ:配管現場での防食施工が確実かつ簡便に行えます。

    用途: 
    ・外面ポリエチレンライニング鋼管(ガス・電気・上水・石油輸送)として寒冷地、海底配管のような過酷な条件に対応
    ・内面ポリエチレンライニング鋼管(発電所・水輸送・水処理設備・国家備蓄)
    ・内外面ポリエチレンライニング鋼管(埋設管、地上配管)

    メリット:
    ・耐腐食性:ポリエチレン被膜が鋼管を保護し、酸やアルカリなどの化学物質による腐食を防ぐ。
    ・電気絶縁性:電気防食が不要で、維持管理が容易。
    ・耐摩耗性:摩擦や摩耗に強く、長寿命。
    ・施工性:軽量で扱いやすく、施工が比較的簡単。
    ・美観:外観がきれいで、環境に適した色を選択可能。

    デメリット:
    ・コスト:一般的な鋼管よりも製造コストが高い。
    ・ 高温環境に弱い:ポリエチレン層が高温で軟化し、変形する可能性がある。
    ・ 設置時の注意:被膜が薄く、施工時に傷つきやすいため慎重な取り扱いが必要。



    設計事業グループ/田浦


    TECHNICAL ENGINEERING GROUP(設計事業グループ)

     

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